加齢に伴い増加する毛髪表面の凹凸(おうとつ)を緩和する技術の獲得に成功

加齢に伴い増加する毛髪表面の凹凸(おうとつ)を緩和する技術の獲得に成功

ホーユー株式会社(名古屋市東区)は、特定の2種の成分※1を含む毛髪処理剤を使用した後に、毛髪の主要成分であるシスチン※2を配合したヘアトリートメントを処理することで、加齢に伴い増加する毛髪表面の凹凸が緩和されることを発見しました。
 本研究の成果は、2023年12月5日~7日に開催された「第1回化粧品技術者会学術大会※3」にて発表しました。
 また、本研究の成果は、加齢による毛髪の扱いにくさに悩む多くの女性が若々しく在り続けるための一助となることが期待されます。毛髪表面の凹凸を緩和できる技術として特許出願しており、今後、新製品に応用していく予定です。

【研究の背景】
 当社では、独自開発した「毛髪プロファイリング」という毛髪表面の凹凸を評価できる手法を用いることで、加齢に伴って毛髪表面の凹凸が増加し、この凹凸が年齢を重ねると感じるジリジリとした手触りの悪さにつながることを見出し、各種学会や学術誌にて報告してきました。※4、5 しかし、その現象を改善する効果的な方法は見つかっていませんでした。

【研究の成果】
 本研究では、毛髪表面の凹凸による手触りの悪化を解決するべく検討を進めました。その結果、特定の2種の成分を含む毛髪処理剤を処理した後に、シスチンを配合したヘアトリートメントを処理することで、毛髪表面の凹凸が緩和されることを発見し、(図1) さらに、ジリジリとした手触りや髪全体のまとまりが改善されることも確認しました。(図2、3)
 また、特定の2種の成分を含む毛髪処理剤を処理した方が、処理しない場合と比較して、シスチンの浸透量が増加することが確認され、このことが毛髪表面の凹凸の緩和の一因であると考察されました。
 毛髪の凹凸が緩和されることで、加齢した毛髪特有の悩みである毛先のザラザラした手触りやまとまりにくいヘアスタイルに対する悩みに対応できると考えられます。

※1 サッカリンNaと亜硫酸Naの組み合わせのこと。
※2 中性アミノ酸であり、必須アミノ酸の1つ。多くのタンパク質には少量ずつ含まれているが、毛髪などのケラチンタンパクには特に多く含まれ、毛髪の物性に関して重要な役割をもつ。毛髪がダメージをうけると、システイン、システイン酸などの様々な状態に変化する。
※3 日本化粧品技術者会(SCCJ)にて運営される学術大会。国内の最新の化粧品技術が発表されており、更なる化粧品技術者のレベルアップと技術のグローバルリーダーを目指す次世代の発表の場として運営されています。
※4 橋本真典ほか, 第88回SCCJ研究討論会(2022)
※5 今井健仁ほか, 日本化粧品技術者会誌, 2023, 57:18-24.

詳細は、プレスリリースをご確認ください。

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