【ホーユー×JTB】働き方と髪色に新しい選択肢を。私たちが取り組む“未来の働き方改革
2025.04.30
ホーユーでは、「わたしの髪色プロジェクト」を発足し、すべての人の自由と多様性を尊重し、自分らしい髪色を楽しむことを応援しています。そして、わたしらしい髪色で働ける社会を目指して、共に考え、後押しする活動を行っています。
今回は、株式会社JTB 名古屋事業部の國枝さん、ホーユー株式会社 コーポレート本部 人事部に所属する内川さんのお二人に、それぞれの会社における「働き方」をテーマにインタビューを行いました。
さらに、「身だしなみ規定の緩和」をきっかけに、それぞれの会社がどのように変化し、社員がどんな反応を示したのかを深掘り。髪色や服装の自由化がもたらしたエピソードや、リアルな現場の声、社内の雰囲気の変化についても伺いました。

株式会社JTB 名古屋事業部
國枝 祐美子さん
名古屋エリアにおける法人のお客様対応、従業員の「働きがい向上」 などの施策に従事。EX(Employee Experience)向上委員会の推進役も担う。

ホーユー株式会社 コーポレート本部 人事部
内川 弘子さん
社員彩りビジョンの推進に従事/D&Iの推進や組織風土醸成を担当
「働きやすさが格段に増した」。テレワークで変わった社員のリアルな声
まずは、それぞれが取り組んでいる「働き方改革」について詳しく教えてください。
國枝さん
JTBグループでは「JTB Group WORK Styleビジョン」のもと、生活の拠点として会社に登録している「居住登録地」でリモートワークができる「ふるさとワーク制度」が2020年よりスタートしました。
この制度によって、転居や転勤が必要になっても、社員は居住地を変えずにテレワーク中心で仕事をすることができます。
また、2024年11月には、空き部屋を活用したコワーキングスペースも作りました。集まった人たちが自由に意見を交わしたり、他の事業パートナーと協業できないかを考えたりする場になっています。
柔軟な働き方をサポートする場として役立つコワーキングスペース。
内川さん
ホーユーでは、2022年に「イキイキ・ワクワクビジョン2030」を掲げ、フレックス制度やフルフレックス制度、在宅勤務制度などを導入しています。
JTBさんの取り組みと似た「ホームオフィス社員制度」もあって、全ての部署というわけではありませんが、転勤や単身赴任をすることなく、自宅から勤務できる仕組みを整えています。
今でこそテレワークは浸透してきましたが、導入当初は反対意見もあったのでは?
内川さん
在宅勤務はコロナ禍で緊急的に導入されたので、反対意見はなかったと思いますが、最初は、対面ではない働き方に戸惑っていた人が多かったと思います。管理職も「部下の顔や仕事の様子が見えにくくなりどのようにマネジメントすれば良いのか」と手探りの様子でしたが、試行錯誤しながら、在宅勤務が新しい働き方として定着してきたように感じます。ただ、当社では全ての部門が在宅勤務できるわけではなく、製造部門のように業務の特性上、在宅勤務ができない部門もあります。
國枝さん
確かに、リアルのコミュニケーションがベースとなるような、テレワークが難しい業務だと、公平性の面で反対意見もあったかと思います。制度を利用する側も気を使うし、上司の理解も必要です。
その中で、どうしても温度差は出てしまうかもしれませんが、それぞれの意見をしっかり聞いて、お互いが納得できる形で制度を活用できたらいいなと思います。
お二人は普段、テレワークを活用していますか?
國枝さん
私は月に1、2回テレワークを活用しています。通勤に片道1時間ほどかかるので、その時間を家事やリフレッシュの時間に使えるのは本当に助かります。
時間の節約だけでなくて、満員電車のストレスもなくなるし、体力的にも楽になりますね。オフィス出勤日は職場に着くだけで「あ~疲れた!」という状態ですが、テレワーク時はそれがないだけで心身ともにありがたいです(笑)。
内川さん
すごくわかります。私は在宅勤務を週に1日位です。私は比較的会社から近い場所に住んでいますが、それでも通勤時間が削減されるのは本当に楽だなと感じています。あと、在宅勤務の時は、支度にかかる時間も短くなり、ちょっとした家事をする時間に充てられるのが嬉しいです。
社員の皆さんからは、どのような声が上がっていますか?
國枝さん
「テレワークのおかげで、育児や介護との両立がしやすくなった」という声が多いですね。うちには1か月単位で労働時間を調整できる制度もあって、空いた時間を使って自己啓発や副業に挑戦している社員も増えていますよ。
内川さん
ホーユーでも同様の声を聞きます。業務パフォーマンスを維持しながら、ワークライフバランスの取れた働き方をしていると思います。
より多くの社員に制度を活用してもらうには、どうしたら良いと思いますか?
國枝さん
役職者やベテラン社員が積極的に制度を活用することが大事だと考えています。私も子供がいるので、ちょくちょく活用しています。自身の「ライフ」の部分を大事にすることは悪いことではないんだよ、というメッセージが若い社員にも伝わればいいなと思います。「ライフ」があってこその「ワーク」ですからね。
ヘアカラー自由化で広がる可能性。イノベーションを生む職場へ
最近では、テレワークのほかに「身だしなみ」の緩和にも力を入れているそうですね。
國枝さん
以前はどのJTB社員からも一律でお客様に「信頼感」「安心感」「清潔感」を感じていただきたいという考えでスーツや制服の着用がマストでした。今ではこれまで築いてきたイメージを大切にしながら、多様な価値観を認め合う方向へシフトしています。
内川さん
ホーユーでも、もう10数年になると思いますが、服装が自由化されています。
当然、お客様に合う時など、TPOに合わせて畏まった服装をする時もありますが、それ以前と比べるとずいぶん自由になったと感じますね。
とはいえ、制服を完全になくすのは大変だったのでは?
國枝さん
そうですね。個人のお客様に向けた窓口業務の社員は制服を着用していました。みんなが同じ制服を着ていると安心感もあるし、ブランドの価値を感じてくださるお客様もいました。ただ、それ以上に「お客様が本当に価値を感じることって何だろう?」と、社員一人ひとりが自分で考えられるようになってほしいという想いがあり、制服の撤廃に至ったようです。
また、自由で活発な雰囲気を作り、イノベーションが生まれるような職場にしたいという狙いもありました。そのため、社員が自分で服装を判断できるようなスタイルに変わりましたね。
実際に、社員からの制服撤廃の声は多かったのですか?
國枝さん
いや、制服は当たり前にあったので、社員からも撤廃の声はほとんどなかったと思います。私も店頭で働いていたことがあるのですが「制服をなくしてほしい」と思ったことは一度もなくて(笑)。
それでも、会社として「お客様を不快にさせないためにどうするべきか?」と、社員一人ひとりが自分で考えられるような文化を作る必要がありました。
服装のように、ヘアカラーの規定も緩和されていますか?
内川さん
ホーユーは、髪色と髪型はもっと自由です(笑)。金髪の方もいますし、年齢、役職問わず、皆さん、髪色を楽しんでいます。
それは驚きです。社外の方からの印象が気になりますが……。
内川さん
今でこそ、髪色に厳しく言わない会社が増えてきたように感じますが、ホーユーはヘアカラーのメーカーなので、まだ世の中的に髪色に厳しい頃から、「ホーユーさんは髪色が商売だから」と、お得意先様の理解はかなりあったと思います。明るい髪色でお客様とお会いしても「その髪色素敵ですね!」と好意的な反応をいただくことが多いです。
就活中の学生の皆さんにも、本当は自分らしい自由な髪色でお越しいただきたいと思っています。内定者の学生には「髪色は明るくてもいいよ、もっと自由でいいよ」と伝えていて、入社式に金髪のようにかなり明るい髪色で臨む新入社員も毎年います。
入社式で髪色の明るい新入社員がいないと、社員から「今年は髪色の明るい子がいなくて寂しいね」なんて話すこともあります(笑)。
國枝さん
弊社でも、「親しみやすいね」「今の時代に合っているね」と、お客様に好意的な言葉をもらうことがほとんどです。ただ、ネクタイにスーツが当たり前というお客様もいらっしゃるので、お客様に合わせてスタイルは変えています。お客様に寄り添いながら、「お客様に選ばれ続ける社員」について自ら考え、行動できる社員でありたいと考えています。
髪色や服装に関して、注意している点はありますか?
内川さん
職場やお客様に不快感を与えないことが一番大切だと思います。清潔感にかける服装や露出が多い服装、派手すぎる服装、何かあったときにすぐ動けるよう、脱げやすいサンダルも避けています。JTBさんのように、社員全体で場面に応じたスタイルを選ぶことが大切ですね。
“推し活休暇”も認め合える風土に!新しい「働きがい」のカタチ
今後、新たな働き方を推進していくために掲げている目標はありますか?
國枝さん
プライベートな事情をお互いに理解し合い、尊重できるような風土があるといいなと感じています。新しい制度ができると、女性や介護が必要な方、いわゆる社会的に「守らなきゃ」と言われる人たちに目が向きがちですよね。
もちろん、そこに対してもしっかり配慮することは前提として、もっと“個人的な事情”も理解し合える環境を作りたいと考えています。
“個人な事情”とは、たとえばどのようなことですか
國枝さん
例えば、「推し」に使う時間を大切にする、などですね。仕事に限らず、個人的な事情、つまりそれぞれの「ライフ」における価値観も会社は大事にする必要があると思うんです。子どもに関する事情は割と受け入れられやすい反面、「推しのライブに行きたい」という声は、まだ素直に認められる空気にはなってないのが現状です。
でも、本質的にお互いの価値観を認め合う文化や相互理解の風土を作っていくには、こういったプライベートな事情も尊重し合える環境が必要だと考えています。
プライベートが充実すると、仕事への活力にも繋がりますよね。
國枝さん
そうですね。弊社には1時間単位で休みが取れる「時間年休制度」もあります。育児や介護以外の理由でも、制度を堂々と使えるようになったらいいなと思っています。
國枝さんも「時間年休制度」を取る予定はありますか?
國枝さん
実は、明日さっそく昼休憩の1時間と1時間年休の2時間を使って、同僚とホテルのランチビュッフェに行きます(笑)。丸1日休みを取らなくてもリフレッシュできちゃいます。
内川さん
素敵ですね。私もプライベートの時間をもっと有効活用したいです。時間をうまくコントロールして、仕事だけでなくプライベートも充実させたいですね。
最後に、今後の展望を教えてください。
國枝さん
JTB名古屋事業部では「エンプロイー・エクスペリエンス(EX)の向上」をめざし、社員一人ひとりの経験価値を高めたいと考えています。
ライフもワークも充実させるために、会社としてどのような選択肢を提供できるかを考え、現在社員にアンケートを取ったり、ヒアリングをしたりしているところです。社員が「自分はどうありたいか」を考えられる環境を作り、そこに会社が「ちゃんと寄り添うよ」という姿勢を見せることが大事だと思っています。
内川さん
ホーユーでは、2030年に向けて掲げた「イキイキ・ワクワクビジョン2030」を推進しています。私たちは、世界中の人々の心に彩りを与え、内面からイキイキ・ワクワクと美しい人生を送るためのお手伝いをしていくことを目標にしています。
お客様に「イキイキ・ワクワク」を届けるには、まず社員にが「イキイキ・ワクワク」と働けることが重要です。ただ、それは会社から与えられるだけでなく、社員一人ひとりが「どうすればイキイキと働けるか」を考えることも必要だと思っています。
働きやすい環境を作り、社員一人ひとりが「やりがい」を感じられるよう、働きがいのある職場作りを目指していきたいです。