AIを活用し、皮膚感作性リスクを評価
動物実験に依存しない安全性評価研究が学会賞を受賞

AIを活用し、皮膚感作性リスクを評価

ホーユー株式会社(本社:愛知県名古屋市、代表取締役 社長執行役員:佐々木 義広、以下ホーユー)は、国立医薬品食品衛生研究所(所在地:神奈川県川崎市、所長:齋藤 嘉朗)、および公立大学法人名古屋市立大学(本部:愛知県名古屋市、理事長:郡 健二郎)との共同研究の成果が評価され、第51回日本香粧品学会学術大会(2026年6月24~25日)において優秀論文賞を受賞したことをお知らせいたします。

研究の背景と成果
本研究は、従来、動物実験に依存していた化学物質の皮膚感作性(皮膚アレルギーを引き起こす性質)の評価について、AI(機械学習)を活用し、動物実験に依存しない定量的なリスク評価を目指したものです。
化粧品の安全性評価では、皮膚感作性を動物実験に依存せず評価する手法の確立が課題となっています。近年は、動物愛護や動物福祉への関心の高まりに加え、世界的に化粧品分野での動物実験規制も進んでいます。このため、安全性を確保しながら、動物実験に依存しない新しい評価法の確立が求められています。
本研究では、機械学習を活用し、化学物質に関する情報から皮膚感作性の強さを予測する評価アプローチを開発しました。さらに、ヘアカラー製剤中に生成され得るバンドロフスキーベースを対象としたケーススタディを通じて、動物実験に依存しない定量的なリスク評価の可能性を示しました。

本研究のポイント
・機械学習を活用した皮膚感作性の定量的評価アプローチを提案
・動物実験に依存しない安全性評価につながる次世代リスク評価(NGRA)の実例を提示
・ヘアカラー関連物質を対象に、実務への応用可能性を検証

本研究が目指すこと
化粧品やヘアカラーに用いられる成分の中には、優れた機能を持ちながらも、安全性の観点から活用が難しいものがあります。 本技術により、皮膚感作性リスクを定量的に見積もることができれば、配合量や処方設計を工夫することで、有用な成分をより安全に活かした製品開発につながる可能性があります。 また、本研究は、動物実験に依存しない新しい安全性評価法の発展に貢献することが期待されます。

今後の取り組み
ホーユーは、今後も先進的な安全性評価技術の開発を進め、より安全で安心してお使いいただける製品づくりに取り組んでまいります。

受賞論文
論文タイトル
Next Generation Risk Assessment Case Study: A Skin Sensitization Quantitative Risk Assessment for Bandrowski’s Base Existing in Hair Color Formulations
(日本語訳:Next Generation Risk Assessment 事例研究:ヘアカラー製剤中のバンドロフスキーベースの定量的皮膚感作性リスク評価)
日本香粧品学会誌 Vol. 48, No. 2, pp. 73–77(2024)
著者
足利 太可雄¹ , 波多野 浩太², 岩佐 帆乃夏², 木下 啓³, 中村 伸昭², 安部 賀央里³, 頭金 正博³
1国立医薬品食品衛生研究所 ゲノム安全科学部
2ホーユー株式会社
3名古屋市立大学大学院 薬学研究科

共同研究体制
本研究は国立医薬品食品衛生研究所、ホーユー、名古屋市立大学による産学官連携のもと実施されました。筆頭著者の足利太可雄氏は、国立医薬品食品衛生研究所において安全科学分野の研究に従事するとともに、日本動物実験代替法評価センター(JaCVAM)の運営を担当しています。また、共同著者の安部賀央里氏は、名古屋市立大学においてレギュラトリーサイエンス分野の研究に従事しており、現在は名古屋市立大学大学院データサイエンス研究科に所属しています。

日本香粧品学会について
日本香粧品学会は1976年に設立され、化粧品や香料(香粧品)およびその関連物質に関する医学的・科学的問題について、皮膚科医、化粧品研究者、薬学研究者などが議論を行う学会です。 優秀論文賞は、日本香粧品学会誌に掲載された論文の中から、香粧品学の発展に特に大きく貢献すると評価された研究に対して2年に一度贈られる賞です。

国立医薬品食品衛生研究所について
国立医薬品食品衛生研究所は、医薬品・食品・化学物質などの安全性確保に関する研究を行う国の研究機関であり、毒性評価や試験法の開発など、安全科学分野の研究を推進しています。

公立大学法人名古屋市立大学について
公立大学法人名古屋市立大学は、医学、薬学、データサイエンスなど幅広い分野で教育・研究を行い、医薬品や化学物質の安全性評価を含む多様な研究を推進しています。

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