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薄毛の原因と対策は?頭皮ケアや白髪染めの影響を医師が解説
2023.05.30
ヘアケア
年齢を重ねると誰もが気になってくる薄毛。昨今では、新型コロナウイルス感染症の後遺症のひとつとして耳にすることもあります。
薄毛といってもその症状はさまざまあり、AGAも薄毛の種類のひとつ。
もしかしてAGAかも?と不安な方のために、この記事ではAGAのセルフチェック項目もご紹介します。
今回はAGA分野にも詳しい医師の花房先生に、薄毛やAGAの原因、対策を聞いてきました。
この記事の監修
薄毛の種類とは?
薄毛にはAGAと言われる遺伝や男性ホルモンの影響で抜け毛の症状が引き起こされる脱毛症と、
なんらかの刺激などで毛根が休んだ状態になってしまう休止期脱毛症、さらに加齢で新陳代謝の低下や血行不良などが原因となる加齢性の脱毛症が挙げられます。
休止期脱毛症は、抗がん剤などの薬剤性のものや、昨今は新型コロナウイルス感染症の後遺症としても耳にしたウイルス性のものなどがありますが、薄毛の90%以上がAGAと言われています。
AGAとはどういう状態?
休止期脱毛症や加齢性の脱毛と、AGAを見分けるための特徴はどんな症状なのでしょうか。
花房先生
加齢性の脱毛症は髪の毛全体が減ってくるもの。
年齢にかかわらず、頭頂部と前頭部から部分的に髪の毛が薄くなる、髪の毛のコシがなくなった、元気のない細く短い毛が増えてきたなどの症状が出てきたら、AGAを疑うと良いかもしれません。
あなたはAGA??セルフチェックしてみましょう
自分の薄毛がAGAなのか簡単にチェックをしてみましょう。
(1)から(6)が一つでも当てはまった場合は、AGAの可能性があり、数多く当てはまるほどAGAの可能性が高くなります。
花房先生
生え際の後退が気になる場合は特にAGAの可能性を疑う必要があります。
昨今、若年化が進んでいるので年齢に関わらず、頭髪のチェックをしてみると良いですよ。
AGAの原因は?
AGAを発症する大きな原因は男性ホルモンと遺伝によるものです。
ストレスや、食生活、睡眠時間なども環境要因としての影響は考えられますが、確定的な要因とは言いづらく、現状わかっている要因としては遺伝的なものが強いと考えられています。
男性ホルモン
男性の薄毛には「テストステロン」と「ジヒドロテストステロン(DHT)」の2つが関係してきます。
テストステロンは、筋肉や骨格など男性らしい身体を構成するために重要なホルモンです。男性にとって嬉しい面もありますが、5αリダクターゼという物質と結びつくとより強力な男性ホルモンDHTに変換されます。
このDHTが髪の毛を作り出すホルモン受容体に結合すると、髪の毛の成長が阻害されてしまうのです。これにより、毛根から生えてきた髪の毛が成長しきらずに抜けて落ちてしまう症状が発生します。
DHTが結合する男性ホルモン受容体のほとんどが、前頭部から頭頂部にかけてあるため、AGAで髪が薄くなるのもこの部位からなのだそう。
遺伝
両親や祖父母が薄毛の場合、子や孫にも高確率で薄毛が遺伝することがわかっています。遺伝によって引き継がれるのは次の2つ。
- 5αリダクターゼの活性度
- 男性ホルモンレセプターの感受性
5αリダクターゼが活性しやすい体質の場合、テストステロンがDHTに変換されやすくなります。
さらに、男性ホルモン受容体の感受性が強いと、その分DHTの影響を受けやすくなるのです。
5αリダクターゼと男性ホルモン受容体は、どちらもAGAと深い結びつきのある物質(構造)ですので、これらの遺伝子情報が引き継がれた場合、AGAを発症する可能性が高いと言い換えられます。
薄毛対策
AGAをはじめとした薄毛が気になり始めたタイミングにできる対策はシャンプーの頻度や方法、育毛剤の使用、食生活の見直しが挙げられます。
また、AGAの改善を求めるならAGAのクリニックに行き治療をするのが有効です。
シャンプーの頻度や方法
薄毛対策としては過度なシャンプーを避けた方がいいでしょう。
髪の毛のコシがなくなり、ボリュームダウンしてみえるので洗いすぎないよう丁寧なシャンプーを心がけてください。
花房先生
頭皮をゴシゴシ洗うこともやめましょう。頭皮が痛むと、一時的に髪の毛の発育が遅れることもあります。
また、洗髪のたびに抜ける毛が気になるからといって、すすぎ時間を短くするのは、シャンプーやコンディショナーのすすぎ残しの原因に。
頭皮環境には良くないので、しっかりすすぐことを意識しましょう。
育毛剤
花房先生
薄毛が気になってから育毛剤を使うより、予防として使うのがおすすめです。
ミノキシジルという成分が入っているものは、発毛や髪の成長を促進する作用があるとされているので、薄毛の症状が出てからも使えます。
薄毛の症状や進行を緩和させるためには有効な育毛剤ですが、抜け毛が増えたり、毛量のボリュームが著しく低下したりしている場合は、
個人の判断で育毛剤を使うよりも病院で処方をしてもらうことを考えた方が良いそうです。
食生活
頭皮環境をよりよく保つための食生活の見直しは大切です。亜鉛や鉄分を意識的に摂るようにしてみましょう。
花房先生
すでに生えている毛髪の成長をサポートするという意味では、必須ミネラルの一つでもある亜鉛は、髪の主成分であるタンパク質の生成に必要な栄養素なので、積極的に取り入れることをおすすめします。
また、血行を良くすることで毛細血管を通じて頭皮に栄養素を届けるため、鉄分の摂取も意識すると良いと思います。
亜鉛や鉄は、なかなか食べ物から多く取り入れることが難しい栄養素なので、サプリなどで補うという方法もあります。
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AGAクリニックの受診
頭皮環境を守るためのヘアケアをしつつ、日常生活を健康的に送っていてもなお、薄毛が気になる場合はAGAクリニックを受診してみるのも一つの対策。
どんなタイミングで行ったら良いのでしょうか。
花房先生
成長途中の細く短い毛が多く抜けると感じたり前頭部や頭頂部の髪の毛が細く弱くなっていると感じたりしたら、早めにクリニックを受診することをおすすめします。
今のところ太っている・痩せているなどの体質的な身体的特徴なども関係はないと言われているのでどんな人が予防をするべきとは言い切れませんが、遺伝的に薄毛の人がいる家系の場合は気になったときに病院へ行ってみると良いと思います。
薄毛についてのよくある質問
薄毛が気になる人から寄せられがちな質問について、花房先生に聞いてみました。
スタイリング剤や白髪染めは薄毛に悪影響?
花房先生
スタイリング剤や白髪染め、ブリーチが慢性的な薄毛の原因になることはあまりありません。
過度な使用は避け、適度に使用する分にはまったく問題ありません。
まれに、刺激が強いものを多く使ったり、長期的に使ったりすると、その刺激で一時的に毛髪が寝込んでしまい、生えてこないという症例もあります。
薄毛が気になっていても、ヘアセットは欠かせないし白髪は染めておきたいですよね。
説明書の記載を超えたような過度な使用は避け、適切な量を適度なタイミングで使用しましょう。
頭皮マッサージは薄毛に効く?
花房先生
薄毛に対しては、良いとも悪いとも言えないですね。マッサージをして悪いとは言えませんが、推奨する根拠がほとんどないというのが現状です。
髪の毛の成長を促すためには、血流を良くする意味でも頭皮マッサージは良いかもしれませんが、薄毛に効くとは言い切れないとのこと。
薄毛が始まるタイミングはいつ?
花房先生
これは個人差があるとしか言えません。ただ、昨今は薄毛の若年化が進んでいるとも言われていますので、年齢に関わらず、頭皮環境を整えるケアを心がけることは大切です。
年齢を重ねてなくても、薄毛が気になる人は多いはず。
日常生活でできることから髪の毛に良い頭皮環境を整えていきましょう。
また、あまり心配しすぎて自己流の過剰なケアをするよりも、AGAのクリニックで一度話を聞くことも選択肢に加えてみると良いかもしれません。
この記事の監修
医師、はなふさ皮膚科理事長
花房 火月先生
東京大学医学部卒業後、癌研究会有明病院、東京大学医学部附属病院、NTT東日本関東病などを経て、2011年三鷹はなふさ皮膚科開院。現在は、東京、埼玉、京都に10院、はなふさ皮膚科を運営。
【出典】 zon、ABC、asu0307、HM、タカス、shironagasukujira、freeangle / PIXTA(ピクスタ)
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