毛髪の主要成分シスチンに着目した新ヘアケア技術を開発
~シスチンを効率よく毛髪内へ補充できる技術を確立~

研究・調査

ホーユー株式会社(名古屋市東区)は、毛髪の主要成分であるシスチン※1に着目した研究を進めた結果、シスチンを効果的に毛髪内へ補充できる新ヘアケア技術を確立しました。
本技術については、シスチンを用いたヘアトリートメントとして特許を取得しており※2、今後の新製品に応用していく予定としております。

毛髪はケラチンというタンパク質が大部分を占め、そのケラチンは多くのアミノ酸から構成されています。毛髪は皮膚に比べ、シスチンというアミノ酸が多いことが特徴で、このシスチンが多く含まれているために、毛髪は硬く、弾力性があるという特性をもつことができています。毛髪内のシスチンはダメージを受けることにより失われ、毛髪の弾力性低下の大きな要因になっています。そのため、シスチンを毛髪内へ補充することは、毛髪の弾力性を向上させるには大変有効であると考えられてきましたが、シスチンは水などの溶剤に非常に溶けにくい性質をもち、ヘアトリートメントに極少量しか配合することができないため、シスチンを効率よく毛髪内へ補充することは難しいとされておりました。
今回、シスチンはアルカリ性溶液であれば溶けるという特性(図1)に着目し、シスチンを効率よく毛髪内へ補充するヘアケア技術の研究に取り組みました。その結果、シスチンを溶解させたアルカリ性ヘアトリートメントで毛髪内にシスチンを浸透させた後、酸性ヘアトリートメントを塗り重ね、シスチンを毛髪内で析出させることで、シスチンを効率よく毛髪内へ補充することができる技術を確立しました。

         図1  シスチンの特性

また、ナノメートル※3レベルの超微細領域の物性を計測できる原子間力顕微鏡(AFM※4)を用いて、本技術によって毛髪内の弾性率※5を向上できることを確認しております。(図2)

           図2  本技術を用いたときの毛髪内の弾性率変化

※1 シスチン
中性アミノ酸であり、必須アミノ酸の1つ。多くのタンパク質には少量ずつ含まれているが、毛髪などのケラチンタンパクには特に多く含まれ、毛髪の物性に関して重要な役割をもつ。

※2 特許第6052863号 : シスチンを用いたヘアトリートメントに関する特許

※3ナノメートル
長さの単位。1ナノメートルは10億分の1メートル。

※4 原子間力顕微鏡(AFM)
先端がナノメートルオーダーの針で、サンプル表面を触ることによって、その表面の凹凸情報や硬さの物性をナノスケールで計測することができる分析機器。

※5 弾性率
モノの変形のしにくさを表す値。弾性率が大きいほど変形しにくい硬い物質であると表現され、弾性率が小さいほど変形しやすい軟らかい物質であると表現される。

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