毛髪内部における水の分布状態の観察に成功

研究・調査

ホーユー株式会社(名古屋市東区)は、ダメージを受けた毛髪内部における水の分布状態を観察することに成功しました。

ダメージを受けた髪は、乾燥したスポンジのように水分を吸いやすくなり、シャンプーした後、乾きにくくなったり、湿気の多い日に髪がじめじめしたりします。
毛髪は、コルテックスの周りを何層ものキューティクルが覆っている構造で、一般的にはキューティクルとキューティクルの間を通って毛髪の内部に水分が浸透していくといわれています。しかし、毛髪内部のどの部分に水が存在しやすいのかなど詳細なことはあまり分かっておらず、また、水の分布状態を直接観察した例はありませんでした。
今回、当社は、今まで詳細が分からなかった毛髪内部の水の分布状態を、「クライオ走査型電子顕微鏡」という装置を用いることで、初めて観察することができました。

<観察方法>

まず、水を含んだ毛髪を液体窒素で瞬間凍結し、ナイフで毛髪を輪切りにしてその横断面を作製します。凍らせたまま電子顕微鏡で真空状態にすると水分だけが蒸発し、その結果、水分の多い部分は窪みとして観察されます。この原理は、インスタント食品などに用いられている真空凍結乾燥技術(フリーズドライ)とよく似ています。

<観察結果>

ダメージを受けていない毛髪(左図)に比べ、ダメージを受けた毛髪(右図)では毛髪内部に多くの窪みが現れ、コルテックスCMC(細胞膜複合体)と呼ばれる部分などに水が多く存在していることが分かりました。
この研究成果は、2011年11月30日に開催された第69回日本化粧品技術者会研究討論会にて発表しました。また、当社ではこの研究成果をもとに、今後のヘアケア剤の開発に応用していく予定です。

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